・暗黒界感想
ディスカード権を使う《暗黒界の術師 スノウ》が思ったよりも使いづらい。
例えば、手札に《暗黒界の武神 ゴルド》《暗黒界の術師 スノウ》《暗黒界の狩人 ブラウ》で自分場に《暗黒界の門》があったとする。どれを切っても1ドローに加えて自身の効果で1アド稼ぐ状況であるから、とりあえず墓地に送って蘇生の流れを作るために《暗黒界の龍神 グラファ》をサーチ。この時点で手札に《暗黒界の武神 ゴルド》《暗黒界の龍神 グラファ》《暗黒界の狩人 ブラウ》、場に《暗黒界の門》。このターン《暗黒界の門》を一度使用したためこれ以上の使用は出来ず、ターンエンドせざるを得ない。これでターンが返ってきて無事《暗黒界の門》の効果を使えればいいが、相手ターン中に何かの効果で破壊された場合ディスカードエンジンを失い手札が一気にゴミ手になる。
このターンに初めに持っていた手札を分析し直すと、
ディスカード権:1つ
ディスカード対象:3つ
このうち、《暗黒界の術師 スノウ》はディスカード権とディスカード対象のどちらかをサーチすることが出来るためディスカード権をサーチすればバランスが整うようにも見える。しかし、サーチ出来るディスカード権は、張りなおしで1アド失う《暗黒界の門》、アド損で相手の手札を回させる《暗黒界の取引》、不確定な《暗黒界の雷》《暗黒界の狂王 ブロン》という感じで決して質が良いとは言えない。結局のところ、質の良いディスカードエンジンは《暗黒界の門》程度であるから、一度一度のディスカード権をもっと大切にするとか、下手に構築でディスカード対象を増やしすぎないとかの意識が必要だと思った。基本ディスカード出来るのは1ターンに1度くらいの意識で、ディスカード対象が浮きすぎないくらいの構築がベストだと思う。
・BURST杯優勝者のCBL432さんオススメの安全地帯について
まずはBURST杯優勝者のCBL432さんの非常に出来が良い安全地帯理論を読んで来て下さい。
で、僕も触発されて《安全地帯》を使ってみたのだけど、イマイチ使いづらかったです。色々と考えた結果《安全地帯》が汎用性の高いカードでは無くあくまでスギバにマッチしたカードであるという結論に達しました。
・詰みが見えにくい
《フォッシル・ダイナ パキケファロ》《Sin サイバー・エンド・ドラゴン》への《安全地帯》は、前者は相手の動きを封じること、後者は打点に任せてモンスターを潰しまくることで常にゲームセットが見えている強みが有りますが、中程度のメタ効果を持たないモンスターに《安全地帯》を付けても出来ることは壁の生成程度でしか無いです。
・《安全地帯》自体の強度
僕が過去に指摘した《安全地帯》の弱点の内の一つに魔法・罠除去への脆弱性が有ります。他に工夫が無ければ《サイクロン》のみならず、《ゴッドバードアタック》《アーカナイト・マジシャン》《魔導戦士 ブレイカー》《ブラック・ローズ・ドラゴン》等少なくない除去の危険に晒されることになり、その場合こちらは《安全地帯》自体とモンスターを失い、ディスアドバンテージを負います(2:2交換に抑え込む方法については後述)。スギバはコンセプト上元々「ゴリ押し」を強く意識に据えたデッキである都合上、効果モンスターを無力化する《スキルドレイン》を筆頭に場合によっては《サイクロン》を《魔宮の賄賂》でカウンターする等のプレイで《安全地帯》への有効牌を抑え込みその暴力性を活かしきる能力に長けていますが、普通のデッキで《安全地帯》を守りきろうとすると《サイクロン》が2枚落ちるのを待つ、《神の警告》あたりカウンターを備える等の工夫が必要になって来るため簡単では無いです。
・アド損しない《安全地帯》の運用の難しさ
432さんが指摘している通り《安全地帯》が除去に晒された時の損失を軽減する方法として、「除去に対してカウンターとして《安全地帯》を発動する」という方法が有ります。しかし、そもそも「除去を受ける」と「戦闘で破壊出来ない」はほぼイコールです。こちらの場に《ヂェミナイ・エルフ》がいるのに相手の場の《ワイト》に《サンダー・ブレイク》を撃つ人はいません。最も効率の良いモンスター除去手段は取りも直さず戦闘破壊で、それが不可能だからこそ破壊カードを向けるわけです。《魂を削る死霊》あたりを除くと「戦闘で破壊出来ない」状況はほぼ2タイプかなと思います。
<モンスターの打点が非常に高い場合>
殴っても戦闘破壊出来ないモンスターは普通除去します。スギバではほぼ全てのモンスターがこれに当たります。
<バックが厚い場合>
相手のバックが厚く、戦闘破壊を通しにくい・ほぼ通らない状況、かつモンスターが維持されると不都合な場合は除去を当てると思います。《フォッシル・ダイナ パキケファロ》や《E・HERO オーシャン》がそう。
このどちらも満たさない状況は相手にとって脅威では無いので、そもそも除去を撃って貰えず《安全地帯》でカウンターするタイミングが有りません。《安全地帯》を使う前に付ける状況を熟考する必要があると思いました。
・最近の群雄割拠環境
を見るとA級戦犯君の名文トップメタの成立過程を思い出す。結果を出すデッキが個人単位で強いとは限らないことの証明。必読。
・下がり気味の更新頻度は
これから更に下がります。月1くらいかも。