2015年09月14日

【その他】04環境で学ぶ遊戯王のプレイングのイロハ



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だいぶ古いTweetですが、未だに時々RTされているので04環境を勧める記事を書きます。
ツイート内の画像にも書いてある通り、04環境とは2004年頃のグッドスタッフをベースにした同一内容のデッキでシングルミラーを行う遊びです。通常のデュエルとの違いは使用デッキの構築が固定されていることだけです。
発祥地が老人ホームなので先攻ドローや優先権起動効果などのルールも当時に合わせることが多いですが、最近はその時代を知らない人も多いでしょうし個人的にはどっちでもいいと思います。

今回は04環境の普及が目的ということで、細かいカードの使い方(「《お注射天使リリー》はいつ召喚するべきか!?」……など)については一切触れず、04環境をプレイすると身に付くプレイングのイロハとは何かということについて書いていきます。
獲得できるプレイングのイロハ、それは……

1.相手のリソースを予測する能力
2.自分のリソースを管理する能力
3.ゲームの方向性を決定する能力

この3つです。
これらのスキルは普通に遊戯王をしていても得られますが、04環境は

・構築が固定されているため判断ミスに対して甘えた言い訳が出来ない
・1つのアクションで2アド3アドを得るようなムーブがあまりないため、試合が大味になりにくい

という二つの特徴から、判断を丁寧に検討する練習に向いています。また、これらの特徴は最近流行りのキューブドラフトとも概ね共通していて、ドラフトを戦う地力を鍛えるのにもぴったりです。

では、詳しい解説をしていきます。

1.相手のリソースを予測する能力
相手のリソースとはすなわち伏せと手札ですが、それらを読むために何をしなければいけないでしょうか?《サイバー・エスパー》や《久遠の魔術師ミラ》を出すわけではありません。
現実の遊戯王から話を始めましょう。最近(最近か?)だと4軸炎星の《炎舞−「天キ」》は教科書的なカードでした。
例えば相手の場に《マシンナーズ・ギアフレーム》が立っていて伏せが数枚、自分が《炎舞−「天キ」》を持っているとしましょう。今から
1.《炎舞−「天キ」》発動
2.《暗炎星−ユウシ》サーチ
3.《暗炎星−ユウシ》召喚
4.《暗炎星−ユウシ》効果で《マシンナーズ・ギアフレーム》を破壊
5.《暗炎星−ユウシ》アタック、サーチ効果
というアクションを行います。これは一枚の《炎舞−「天キ」》から《暗炎星−ユウシ》を構えつつ後続を確保する、アドバンテージ的に非常に強力な動きです。逆に相手からすると通したくない動きになるので、可能であれば妨害してくると予想できます。ここで相手が使える妨害手段について考えてみると、
1.《炎舞−「天キ」》発動 ←《サイクロン》
2.《暗炎星−ユウシ》サーチ ←《マインドクラッシュ》
3.《暗炎星−ユウシ》召喚 ←《奈落の落とし穴》
4.《暗炎星−ユウシ》効果 ←《エフェクト・ヴェーラー》
5.《暗炎星−ユウシ》アタック ←《次元幽閉》
というように、様々なカードが使えます。
相手が妨害手段を持っていれば使用してくるということであれば、それはもし相手が妨害してこなければ妨害札は相手の手中に無いということを意味します。つまり、上のアクションが通るだけで「相手の伏せが《サイクロン》でも《マインドクラッシュ》でも《奈落の落とし穴》でも《次元幽閉》でもなく、《エフェクト・ヴェーラー》も持っていない」という情報を得られるわけです。となると、伏せは《神の宣告》あたりでしょうか?《血の代償》かもしれません。
これが伏せを読む方法の基本です。《炎舞−「天キ」》はあらゆる除去を踏むおかげであらゆる確認をこなしてくれる模範的な伏せチェッカーというわけです。
注意として、読んだバックは見えているわけではないので、相手とカード評価に差があった場合は伏せを読み違える可能性が常にあります。相手が《暗炎星−ユウシ》の破壊やサーチを脅威に感じておらず、他のポイントに《奈落の落とし穴》を温存したいと思っていた場合は、こちらの読みは外れることになります。特に《激流葬》など後打ちでも強い罠や《強制脱出装置》のような完全フリーチェーンはそうでないものに比べて読みづらいです。
このように妨害ポイントという観点で04環境のリストにある魔法罠をチェックしてみると、召喚反応は《奈落の落とし穴》《激流葬》、攻撃反応は《炸裂装甲》、フリーチェーンは《スケープ・ゴート》《破壊輪》等という具合に機能が細分化されています。
例えば、相手が先攻をバック1伏せで終えた場合、こちらの《首領・ザルーグ》の召喚アタックまで通ったら何がわかるかを考えてみます。
《首領・ザルーグ》を妨害する選択肢があったにも関わらず妨害しないというのはあまり考えられません。《首領・ザルーグ》を妨害出来る伏せではなかったと見るのが妥当でしょう。よって、《激流葬》《炸裂装甲》《破壊輪》《スケープ・ゴート》が選択肢から消えます。特にフリーチェーンである《破壊輪》《スケープ・ゴート》が選択肢から消えるのは嬉しいところです。残る可能性は《サイクロン》《砂塵の大竜巻》《奈落の落とし穴》《リビングデッドの呼び声》、ブラフの5種です。
更に、こちらが何かを1枚伏せてエンド。この1伏せが生きたまま相手が次ターン《霊滅術師 カイクウ》あたりを召喚して殴ってきた場合、相手の伏せは《サイクロン》《砂塵の大竜巻》ではないことがほぼ確定します。《霊滅術師 カイクウ》のアタックを《炸裂装甲》《奈落の落とし穴》《破壊輪》に弾かれて次ターンに《首領・ザルーグ》のハンデスおかわりというのは定番かつ最悪のパターンなので、それを避けるために伏せはエンドサイクで破壊しておくのが妥当だからです。ここまでくれば、残りの可能性は《奈落の落とし穴》《リビングデッドの呼び声》、ブラフの3種。先攻1ターン目1伏せで《リビングデッドの呼び声》セットというのはやや不自然なので、本命であればほぼ《奈落の落とし穴》と思っていいでしょう。1ターンの攻防でここまで絞れます。
ちなみに、同じやり方で相手の手札もある程度予想出来ます。先ほどの例で《霊滅術師 カイクウ》が殴ってきたことからは、相手が《魔導戦士 ブレイカー》を持っていないことが予想できます。《魔導戦士 ブレイカー》であれば《炸裂装甲》を回避できるため、《首領・ザルーグ》を戦闘破壊できる確率が更に高く、持っていれば使うと考えられるからです(「持っていれば使う→使われないならば持っていない」というのがリソース予測の黄金パターンです)。《魔導戦士 ブレイカー》が無いとわかれば、《異次元の女戦士》縦+《炸裂装甲》のような《魔導戦士 ブレイカー》を裏目とする布陣が許容されます。

2.自分のリソースを管理する能力
スタイリッシュサイクロンという言葉が使われ始めたのはTwitter検索によれば2011年頃のようです。伏せをケアする努力をせずに投げられた《ダーク・アームド・ドラゴン》や《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》は《奈落の落とし穴》と1:1交換するだけのちょっと大袈裟な《サイクロン》だという揶揄ですが、かなり本質を突いています。パワーカードを投げる前には安全確認をして丁寧にエスコートするのが理想で、直接的には伏せを剥がす、それが無理なら伏せを読むのが重要です。自分のリソースを有効活用するのにも努力が必要なのです。
伏せ読み以外にも自分の本命を通すのには色々方法があり、本命の前に囮を置くプレイは代表的なものです。クリフォートが《スキルドレイン》を発動する際、あえて使い道の狭い《デモンズ・チェーン》から捲って《サイクロン》を誘うというのは囮の発想を使ったプレイングです。《スキルドレイン》が通ってしまえば勝ちなので、他の伏せで除去の枯渇を狙うわけです。
04環境では初手《強欲な壺》《聖なる魔術師》が揃った場合、《聖なる魔術師》による《強欲な壺》回収が通ればほぼ勝ちと言ってもいいでしょう。ここで警戒するべきはセットされた《聖なる魔術師》が除去されて効果を発動出来ずに退場することで(《聖なる魔術師》を潰せるカードは《抹殺の使徒》《ブレイドナイト》《ならず者傭兵部隊》)、ここは除去の有無を相手に委ねるのではなく、とりあえず他のモンスターを伏せて安全を確認したいところです。後ろから見ていた感じ、勝率が5割を超えるプレイヤーは誰に教えられるでもなく全員やっていました。はっきり言って相手が弱いプレイヤーの場合、囮プレイに裏目はありません。囮につられて除去を打ってきた場合はラッキー、除去が無いなら次ターンゆっくり《聖なる魔術師》を伏せればいいだけです。
相手側が囮を想定することも可能ですが、囮を想定した除去の温存というのは大抵裏目があり、釣りに来ているのかどうかの見極めは難しいため囮を使う側有利という印象です。例えば温存した除去を使う機会が無くなるのは失敗ケースで、囮を警戒して《抹殺の使徒》を温存した場合は次ターン以降相手が裏守備を出さなかった場合に使い道の無いカードを抱え続けることになります。また、《ならず者傭兵部隊》は裏守備に使って《キラー・スネーク》を踏んでしまったときに0:1交換になるので攻撃表示モンスターに使った方が確実で、相当な確信が無い限り《聖なる魔術師》一点読みで繰り出すのはリスキーです。
他にもリソースの使い方として重要なのはシナジーの意識です。《同族感染ウィルス》+《キラー・スネーク》のようにコンボとしてセットで使いたいカードも勿論これに含まれますが、特定の戦術に対して組み合わせて初めて大きな効力を発揮するカードというものも存在します。
リアル遊戯王で言えば、クリフォート(→)の《エフェクト・ヴェーラー》は実はシナジーのカードでした。下級クリフォート+《機殻の生贄》という定石の構えは次ターンの生け贄召喚ですぐに勝負を決められる事実上の王手ですが、相手からすると戦闘で突破できず、しかも《機殻の生贄》をサイクロンなどで抜いていてはアド損が激しくなってしまう辛い構えです。《鳥銃士カステル》など特殊な機能のモンスターで《機殻の生贄》を排除するか、除去効果持ちのモンスターでクリフォートごと除去するのが定番でした。《エフェクト・ヴェーラー》はこの予想される相手の動きを確実に狩って不発に終わらせるのが美味しい使い方で、戦略単位でシナジーを持ったカードであると言えます。このシナジーを無視して、ちょっとアドを取るだけのモンスターが単騎で出てきてからといって焦って《エフェクト・ヴェーラー》を消費してしまうと、王手をかけられていたはずの盤面が崩壊する危険が生まれてしまいます。可能な限りは頑張って他の受けで対応したり、多少のライフ損失・アドバンテージ損失は許容して本来の動きを意識するのが良いと言えます。
04でもシナジーを意識できるカードが随所にあります。《キラー・スネーク》《ライトニング・ボルテックス》のセットは当然として、《キラー・スネーク》《激流葬》あたりも使い方を考えれば2:1交換が狙える組み合わせになっています。相手の攻撃を《キラー・スネーク》セット→破壊→回収→セットで受け続け、痺れを切らした相手がライフを取るために下級モンスター追加や《天空騎士パーシアス》召喚と動いた瞬間に《激流葬》というやり方で2:1交換を取れます。これは多少のプレイが絡むもので、適当に動いて《激流葬》を消費してしまった結果アドバンテージを得る機会を逃している光景も見ます。相手の場が空いているのに《キラー・スネーク》《激流葬》を伏せた結果、《異次元の女戦士》が召喚されてしまい《激流葬》というのは、シナジーの観点からすれば最悪のケースです。「アド損しないからセーフ」じゃないですよ。余裕でアウトです。2:1が狙えた組み合わせの手札が1:1になってしまいました。
戦略単位のシナジーを持つカードについてはカードの説明になってしまうので省略しますが、このようにシナジーを理解すればどの順番でカードを払い出していくのか、それは何故なのか、自分が今何を狙うべきなのかをよく考えることが出来ると思います。

3.ゲームの方向性を決定する能力
ライフとアドバンテージは一つを求めれば一つは手に入らないトレードオフの関係にあり、局面ごとにどちらを求めるべきかという話です。
といっても、最近の遊戯王はトレードオフという前提自体が崩れており、ライフもアドバンテージも取れるド安定ムーブが主流なので時が流れるにつれてこれはあまり役に立たなくなってきている感があります。例えば《クリフォート・ディスク》召喚とかいうアクション、何故か生け贄がアドバンテージになり火力もアドも得られるためどう考えても出し得です。
仕方ないのでドラフトにありがちな光景として……

自分場:《サイバー・ドラゴン》 伏せ《エネミーコントローラー》《次元幽閉》
相手場:《炎帝テスタロス》

今相手ターンで《炎帝テスタロス》が《サイバー・ドラゴン》にアタック。このアタック自体はどちらの伏せでも捌けますが、どちらを使うべきかを考えてみます。
・《エネミーコントローラー》を使う場合
より対応範囲が広い《次元幽閉》を温存できる。《次元幽閉》はリクルーターや高守備力モンスターに対しても有効で、そういうモンスターが後に出てきた場合も困らない。
・《次元幽閉》を使う場合
返しに《サイバー・ドラゴン》の直接攻撃が通るため、ライフを2100削れる。もう一体モンスターを追加すればライフをほぼ半分削れるため、2ターンで相手を殺せる計算である。つまり、次の相手の行動にも除去を合わせることが出来れば、もう勝つ。
これがアドを取るかライフを取るかの選択です。アドを取る選択は後々裏目が生じにくいですが、ライフを取る選択はリスキーな代わりに早々に勝ちを確定する魅力があります。最終目標は勝つことですから、勝てるなら勝っておくのが当たり前に無難です。
こういうシーンでは現状の相手のリソースと未来のゲーム展開の二つを予測する合わせ技を使うことになります。妨害が無ければゲームが終わるプランを持っていることは前提として、このプランを妨害できる相手のリソースは何かを検証し、相手がそれを持っている確率とこちらがそれを除去出来る確率を勘定して、裏目が小さければゴーサインです。
04環境では《ライトニング・ボルテックス》《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》あたりは露骨にカードとライフを交換する機能を持っています。《ライトニング・ボルテックス》はいつ打つ予定か、次のターンに打てば何ポイント取れるのか、アド損を許容して打つのか、《キラー・スネーク》を待つのか?《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》はどちらの効果を使うのか、《炸裂装甲》が無いことは確認してあるか、殴って裏目になるカードは使用済みか?などを引いた瞬間から(引く前から)考えることになります。
また、均衡するアドバンテージの中で互いにライフを削り合うゲーム展開においては、細かいライフ計算を意識する機会が多いです。これはド火力を押し付け合う現代遊戯王でも効いてくるポイントで、盤面が圧倒的に不利な状況からリソースオールインで瞬間火力を押し込んで勝利するのはいわゆる捲りの典型的なパターンです。
ライフを詰めて勝利するルートへの移行というのは必ずしも「この動きならこのターン中に殺せる」というキルルートの発見に限ったことではなく、数ターンがかりのツーキル以上の想定力も要求されてきます。個人的な感想ですが、これは横から見ていればよく気付くのに自分でやっているときにはほとんど気付けないもので、最もよくセンスと経験が現れるスキルの一つのような気がします。
例えば相手ライフ4000でリソースほぼ無し、こちらのリソースは場の《霊滅術師 カイクウ》と手札に《キラー・スネーク》《炸裂装甲》という状況。改まって書いてみると当たり前に思えますが、《キラー・スネーク》の貧弱なボディがアタッカーに見えないからといって《キラー・スネーク》を召喚しないのは悪手です。《キラー・スネーク》を召喚して2体で殴るのが正解ですね。2体で殴れば2100入るので次ターンには相手のライフを0にできますが、《霊滅術師 カイクウ》だけでは1800しか減らないので相手ライフ残り2200となり、次のターン慌てて《キラー・スネーク》を追加しても100残ってしまいます。ここで甘えた結果トップ《魂を削る死霊》で粘られ五分に引き戻されずるずると逆転負け、死んで出直しましょう。


ところで、他にも現実の遊戯王で言うところの《カードカー・D》召喚から《エフェクト・ヴェーラー》警戒で《強欲で謙虚な壺》セットを経由した発動のような環境固有の狡いテクニックはいくつもあります。例えば、04環境では攻撃力が2501〜2999のモンスターやその攻撃力が発生するシチュエーションは存在しません。よって、《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》縦を倒せず《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》横を倒せるモンスターは同じ《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》のみであり、相手の《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》が消費されている場合は自分の《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》に殴らせない場合は横が安定になります(縦の場合、《お注射天使リリー》に殴られたときに400ポイントを無駄にします)。
こればかりは環境に依存するテクニックですから一つの環境で極めたところで他の環境がうまくなるとは思えませんが、違う環境で似たようなテクニックが発見されることは時々あります。例えば《スケープ・ゴート》は召喚行為を行ったターンには発動できないため、相手がモンスターを出したのを見てから《サイクロン》を打ち込むことでエンドサイクのようにフリーチェーンの《スケープ・ゴート》を発動させずに破壊するテクニックがありますが、これは相手が《強欲で謙虚な壺》を発動したターンにバック除去を打ち込むことで《リビングデッドの呼び声》《スターライト・ロード》など特殊召喚が絡むバックに強くなるテクニックと繋がるところがあります。手なりから外れたテクニックを発見するスキルもプレイングのイロハのニとして加えておきたいと思います。

おわり
posted by LW at 23:17| Comment(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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