2013年09月06日

【デッキ考察】魔導

魔導について書きます。
環境に対して理論が固まっている状態ではないですし、今期が2ヶ月で終わってしまうのでなるべく受けが広そうな書き方をしています。例えば、案を挙げるだけ挙げて結論は出しません。案は有れば有るだけ良いので、僕が思っていることを喋ることで、他の魔導ユーザーが何かいいことを思い付いたりすればいいな〜と思います。

§1:魔法

☆《グリモの魔導書》
デッキの中で最も重要な位置を占めるカードで、《グリモの魔導書》にアクセス出来ない試合は負けと言っても過言ではありません。
何故重要かというと、《グリモの魔導書》が無ければデッキ全体のギミックが稼働しないからです。コピー元が存在しない《セフェルの魔導書》は発動出来ず、結果墓地が肥えないので《ゲーテの魔導書》も発動出来ません。また、墓地が肥えないということは《魔導書院ラメイソン》で戻す魔導書が確保出来ませんし、《ゲーテの魔導書》が発動出来なければ魔導書が除外されないため《アルマの魔導書》も発動出来ません。更には《魔導書士 バテル》が墓地に落ちないので《ネクロの魔導書》も発動が怪しくなります。
《グリモの魔導書》《魔導書士 バテル》の2種6枚に加えて《魔導書の神判》からも《グリモの魔導書》を引き出すことが出来た前期に比べ、今期はアクセス手段をどう確保するかが大きな問題になります。2種6枚は重要性に対して信用出来る数字ではありません。
この問題を解決する案としては以下のようなものがあります。

1.《魔導書庫クレッセン》
《魔導書の神判》が健在だった前期においては《グリモの魔導書》・《セフェルの魔導書》・《魔導書の神判》を指定することで《魔導書の神判》からのサーチや《セフェルの魔導書》からの再抽選を含めて高い確率で《グリモの魔導書》までアクセスすることが出来たのですが、《魔導書の神判》が禁止になった今期は「当たり」の確率が下がっており、サーチカードとしての信用度は低いです。前期同様、中盤以降にトップで引いてきた場合に活かせない問題も抱えています。

2.《強欲で謙虚な壺》
《グリモの魔導書》を探しに行くのはもちろん、《グリモの魔導書》を入手した後も安定して必要なカードを探しに行けるのが強みです。
一方、制約の都合で《魔導召喚士 テンペル》《魔導法士 ジュノン》《魔導書庫クレッセン》との兼ね合いが悪いのが難点で、それらと被った場合は順番を考えながら数ターンがかりで使っていくことになります。

3.《ヒュグロの魔導書》
サーチ効果を使用するためには
・バトルフェイズを行える(先行1ターン目でない)
・殴れる魔法使い族モンスターを所持している
・殴れる相手モンスターがいる
・バックに妨害されない(《トーラの魔導書》で妨害を弾く)
といった条件をクリアする必要があります。裏を返せば、上手くいけば《グリモの魔導書》の入手と戦闘破壊を両立する一挙両得の初動が出来る可能性もあります。積極的に使用していく場合、相性が良い《お注射天使リリー》《魔導戦士 ブレイカー》を併用する手があります。

4.《魔導教士 システィ》
リターンが大きいのが最大の強みで、次ターン以降の攻め手段も確保してくれるのが嬉しいところです。また、生きているので魔導書でサポートしてアタッカーとしても使用出来ます。
弱みは全体的な挙動の遅さです。入手した《グリモの魔導書》を使用出来るのは最速でも次ターン以降になり、更に召喚権を消費して場を空けることが確定しているため、《ゲーテの魔導書》を置いたり《魔導書院ラメイソン》を扱うことが出来ません。後攻では特に遅さが際立ち、既に《魔導教士 システィ》の効果を使う余裕がなくなっていることもあります。

5.《魔導化士 マット》
効果で《グリモの魔導書》を墓地に置けるので、手札の《セフェルの魔導書》を実質的に《グリモの魔導書》として使うことが出来たり、《ゲーテの魔導書》《魔導法士 ジュノン》を経由した《アルマの魔導書》で回収したり出来ます。出来ることはそれだけで、組になる魔導書を引いていなければ意味がないので《グリモの魔導書》事故を解決する手段としては微妙な感じです。

☆《ゲーテの魔導書》
除去性能の高さについては今更言うまでもなく、《ゲーテの魔導書》をサーチして使用出来ることは今期においても魔導の明確な強みです。
相手にプレッシャーをかける意味でも常に墓地に3枚魔導書を用意するのが魔導の基本ですが、《魔導書の神判》を用いて簡単に魔導書が溜められた前期と比べて今期は墓地に魔導書を確保することが難しくなっており、《ゲーテの魔導書》で除外する魔導書をどう確保するかは課題の一つになります。

・初動での魔導書の確保
基本的には初動で墓地に溜められる魔導書は《グリモの魔導書》と《セフェルの魔導書》で2、《魔導書庫クレッセン》か《ヒュグロの魔導書》が絡んで3ないし4が限界になります。
《魔導書庫クレッセン》と《魔導書士 バテル》or《グリモの魔導書》を重ねて引いた場合、《魔導書庫クレッセン》《グリモの魔導書》《セフェルの魔導書》の3枚を初動で墓地に置くことが出来ます。
例えば初手《グリモの魔導書》《魔導書庫クレッセン》で魔導書Aと魔導書Bをサーチしたい場合、まず《魔導書庫クレッセン》で《セフェルの魔導書》・魔導書A・魔導書Bを選択します。
 1.《セフェルの魔導書》を引いた場合:《グリモの魔導書》で《魔導書士 バテル》を経由して魔導書Aサーチ、魔導書Aを見せて《セフェルの魔導書》で魔導書Bサーチ
 2.魔導書Aを引いた場合:《グリモの魔導書》で《魔導書士 バテル》を経由して《セフェルの魔導書》サーチ、魔導書Aを見せて《セフェルの魔導書》で魔導書Bサーチ
 3.魔導書Bを引いた場合:《グリモの魔導書》で《魔導書士 バテル》を経由して《セフェルの魔導書》サーチ、魔導書Bを見せて《セフェルの魔導書》で魔導書Aサーチ
いずれのカードが手札に入った場合も墓地に魔導書を3枚溜めながら魔導書A・魔導書Bをサーチ出来ます。
これを応用して、《グリモの魔導書》《魔導書士 バテル》を引いた場合、まず《魔導書士 バテル》を召喚、《魔導書庫クレッセン》サーチを経由して目的の魔導書をサーチすることで、墓地の魔導書枚数を1枚水増ししながら目的の魔導書2枚を入手することが出来ます。墓地を肥やすだけではなく、これ以降にトップで《魔導書庫クレッセン》を引く確率を下げる効果もあります。
また、1ターン中に墓地に置ける魔導書の枚数は限られているため、サーチしたい魔導書が既に手札に入っている場合でも可能な限りサーチカードは発動しておくべきです。

・魔導書の循環
一度《ゲーテの魔導書》を発動した後は、減った墓地の魔導書を復旧させる必要があります。前期でも使えたテクニックですが、除外ゾーンに置いた《セフェルの魔導書》は《アルマの魔導書》から入ってタダで墓地に戻せるため、これを目指していくことが墓地の魔導書を確保するコツです。
例えば、《グリモの魔導書》《セフェルの魔導書》を《ゲーテの魔導書》で除外した場合、
1.《アルマの魔導書》で《セフェルの魔導書》を回収
2.《セフェルの魔導書》で《アルマの魔導書》をコピー、《グリモの魔導書》を回収
3.《グリモの魔導書》を発動
という手順で墓地に《グリモの魔導書》《セフェルの魔導書》を引き戻しながら最終的に《アルマの魔導書》を《グリモの魔導書》に変換していることになります。
サーチ関連の魔導書には1ターンに一度しか使用出来ない制約が付いているため、除外ゾーンの魔導書を積極的に使うためには、先を見越してターンを跨いだ魔導書管理を行う必要があります。
例えば、《グリモの魔導書》から魔導書をサーチする権利が余った場合、適当に《セフェルの魔導書》をサーチしておくのはあまり上手くないプレイです。《アルマの魔導書》から入って上のような流れで除外ゾーンの《セフェルの魔導書》を回収していく場合、一時的に手札で《セフェルの魔導書》がダブり一枚は発動出来ない状態となり、動きが一手遅れるためです。これは《グリモの魔導書》についても同様ですが、特に《セフェルの魔導書》は可能な限り除外ゾーンから拾ってきて墓地に戻す目的で使用したいため、使用する権利がシビアなことが多いです。
魔導書をサーチする権利が余った場合、次ターンの回収を見越して《アルマの魔導書》を拾っておいたり、召喚権が余りそうなら何でもサーチ出来る《魔導書士 バテル》を拾っておく手があります(トップで召喚権が必要なモンスターを引くのが裏目になります)。除外を先読みして《アルマの魔導書》を拾う場合は《ゲーテの魔導書》を何としても発動しなければ次が続かなくなるため、次ターンまでに《ゲーテの魔導書》発動することが必須になります。ほぼどんなシチュエーションでも《ゲーテの魔導書》を発動して損にならない《魔導書士 バテル》はその点でも相性が良いと言えます。

☆《魔導書院ラメイソン》
《魔導書の神判》を失った今期では貴重なアドバンテージリソースであり、魔導書の供給手段の一つとして捉えることも出来ます。というのは、サーチした魔導書を最終的に《ゲーテの魔導書》や《トーラの魔導書》などサーチ手段を持たない魔導書に変換する場合、その魔導書の運用はそこで打ち止めとなります。戦線を保つためには魔導書を次々に打ち止めにしていく必要があり、新しく魔導書を供給する源として機能するのは結局のところドロー以外にありません。
デッキに戻すカードは時に応じて様々ですが、いくつかコツがあります。
1.《セフェルの魔導書》でコピー出来るカードは一枚は残しておいた方が良い
2.二枚以上墓地に存在する魔導書はデッキに戻して良い
3.デッキに一枚も無い魔導書は作らない方が良い
普段意識しているのはこれくらいです。
「3.デッキに一枚も無い魔導書は作らない方が良い」というのは、デッキにある魔導書はサーチカード一発で手札に持ってこられますが、墓地にある魔導書を除外ゾーン経由で回収する場合は除外する手間が必要になってしまうためです。
ドロー効果が毎ターン累積する都合上、早い段階で場に出すことが望ましく、試合が長引くほど大きなアドバンテージを生み出していきます。逆に言えば、相手が速攻でゲームを終わらせるプランの場合は《魔導書院ラメイソン》を無視しても脅威にならないので有用性は下がります。挙動の遅さは若干気になるところで、アドバンテージを生む以外の機能は有していないのに、実際にアドバンテージを生むのは発動後2ターン目のスタンバイフェイズ以降になり、それよりも早くゲームが終われば特に何も生産していないことになります。
また、被破壊時の特殊召喚効果も前期に比べれば活かしづらいです。《昇霊術師 ジョウゲン》《青き眼の乙女》のような前期呼び出していたモンスターは《魔導書の神判》が禁止になった煽りで《魔導書院ラメイソン》の効果でしかアクセス出来なくなってしまったため、受け身な発動条件のためだけにメイン採用するのはリスクを伴います。
ちなみに、墓地の魔導書を1以上から0に出来るのは《魔導書院ラメイソン》と《魔導法士 ジュノン》くらいで、墓地の魔導書がある状態で《魔導書庫クレッセン》が手札に来た場合、《魔導書院ラメイソン》効果から発動を狙っていくことが出来なくもないです。

☆《ヒュグロの魔導書》
上昇値が大きく効果は強力なのですが、一種のコンボカードであり、ムラの多いカードでもあります。
大体は《グリモの魔導書》の項で書いた通りで、特に発動後に戦闘破壊に失敗した場合はそのままアド損になるのが辛いところです。《トーラの魔導書》とペアで使うことで《強制脱出装置》《デモンズ・チェーン》《聖なるバリア−ミラーフォース−》あたりのバックは踏み越えることが出来ますが、《月の書》《安全地帯》《禁じられた聖槍》、他ダメージステップのコンバットトリックなど《トーラの魔導書》でもケア出来ない裏目はいくつか存在します。《トーラの魔導書》は先の続かないいわばエンドサーチであるため、これらの大裏目を引いた場合は立て直しが難しくなり、それなりにリスキーなアクションと言えます。
リスキーなだけあって、アタックが通った場合は盤面を返すこと、魔導書の墓地肥やし、1:1の魔導書サーチを一度に行うことができ、中々強力です。
また、《セフェルの魔導書》による重ね掛けが効き、対炎星など相手のコンバットトリックが濃厚な場合は先読みして重ねておく手があります。なお、デッキに《ヒュグロの魔導書》がある限り《魔導書士 バテル》召喚《ヒュグロの魔導書》サーチという動きはいつでも行えるので、打点1500までのモンスターはタダで処理出来るというざっくりした見方も出来ます。

☆《魔導書廊エトワール》
《魔導書院ラメイソン》同様に盤面に直接干渉する機能は持たず効果が累積する永続です。ゲームが長引くほど力を発揮し、カウンターが乗る時間さえあれば、相手の展開を返す動きの効率化やダメージクロックの増加に使えます。ゲームがビート寄りかどうかというよりは、ゲームがどれだけ長引いているか、設置してからどれだけカウンターが乗るかというところに強さが依存する感じがします。
もっとも、それは全体的な印象であって、敵が明確に決まっている場合はその限りではありません。例えば、ヴェルズに対して除去から隙を突いて《魔導法士 ジュノン》を構えるプランで戦う場合、《ヴェルズ・オピオン》2550-《魔導法士 ジュノン》2500=50という打点差を考えると、一つでもカウンターを乗せておけば相手の返しを縛ることができることがわかります(逆に、《魔導書廊エトワール》が無ければ即座に《侵略の汎発感染》を盾にして返されます)。打点で勝っているというのは言い換えれば戦闘での解決手段を奪っているということでもあり、中々馬鹿に出来ないところがあります。この用途ではカウンターは一つでも問題ありませんし、用途がはっきりしている場合はカウンターがいくつ必要かということは想定シーンに依ってきます。
被破壊時のサーチ効果は無難に損失を抑えてくれます。《魔導書院ラメイソン》と違って自分から壊してもサーチ効果が誘発するので、《魔導法士 ジュノン》《サイクロン》あたりと合わせてサーチカードとして使うことも出来ます。《エフェクト・ヴェーラー》を確保したり、先行で《魔導法士 ジュノン》破壊効果から《魔導書士 バテル》サーチを絡めて回しにいくこともできなくはないです。
また、前期同様《マジックテンペスター》との相性が良く、ワンショットが狙えます。ダメージを与える効果にチェーンして《エフェクト・ヴェーラー》を受けた場合、《ゲーテの魔導書》で裏返すことでケア出来ます。シンクロ召喚時の誘発効果にチェーンして《エフェクト・ヴェーラー》を受けた場合はダメージを与えることが出来ませんが、《魔導書廊エトワール》の魔力カウンターを失うことは無く、次ターン以降に再発動出来る可能性があります。

☆《ネクロの魔導書》
用途は
1.レベル調整からシンクロ・エクシーズに使う
2.単体で強力なモンスターを蘇生する
の二択です。状況に応じてエクストラデッキから攻め札を引き出すことができ、《エフェクト・ヴェーラー》の採用理由にも関わってくるカードです。《トーラの魔導書》を使うとレベル上昇が無効になるので、どうしてもレベルが合わない場合はそれで調整出来ます(《魔導法士 ジュノン》+《エフェクト・ヴェーラー》でレベル8を出したいときに《トーラの魔導書》を使うことが多い気がします)。レベルごとのエクシーズ・シンクロパターンは長い割に得るものが無いので割愛します。
初手〜中盤では機能せず、サーチ対象としては欲しいものの引きたくはないカードです。

☆《トーラの魔導書》
バックを踏み越えてモンスターを展開するとき、《ブラック・ホール》などのスペルによる返しを封じるときに使います。
魔導ミラーが多かった前期に比べれば今期は相手の魔法使い族に使うことは少ないですが、《ヴェルズ・ケルキオン》などちょくちょく使える相手はいます。例えば、相手の《ヴェルズ・ケルキオン》召喚時に《奈落の落とし穴》を撃ち、《侵略の汎発感染》で応じられたとき、《トーラの魔導書》対象《ヴェルズ・ケルキオン》魔法宣言を重ねれば《侵略の汎発感染》が無効になり、《ヴェルズ・ケルキオン》は除外されます。
魔導書としては次に繋がらずあまり積極的にサーチしたいカードではないのですが、《魔導法士 ジュノン》を出す場合に《奈落の落とし穴》などを温存されることがあまり無いので結局はサーチせざるをえないことが多いです。
《侵略の汎発感染》同様《デモンズ・チェーン》のような永続するカードに対しては若干弱いです。《デモンズ・チェーン》の効果を受けないのは発動ターンのみで、エンドフェイズ以降は再び《デモンズ・チェーン》が有効になるため、全体的に見れば0:1交換になっているからです。

☆《セフェルの魔導書》
今期も潤滑剤です。
前期はデッキ内の残存リソース数が重要だったため無闇に引き出してくるのはあまり上手い使い方ではありませんでしたが、今期は墓地に一枚でも多くの魔導書を置いていきたいためスピーディーに墓地に置くことを目指します。除外した後は《アルマの魔導書》からタダで墓地に引き戻せるので墓地コストとしてかなり優秀です。

☆《魔導書庫クレッセン》
前述した通り、《魔導書の神判》禁止で「当たり」の確率が下がったためサーチカードとしての信用度はかなり低くなりました。《グリモの魔導書》や《魔導書士 バテル》と同時に引いた場合は単なるサーチカードとして使用出来ること、たまに経由して墓地に置けるパターンがあることも述べた通りです。
少し詳しい確率の話をすると、初手でまともに動かせる魔導書が《魔導書庫クレッセン》くらいしか無い場合、発動して《グリモの魔導書》を入手出来る確率は1/3です。《セフェルの魔導書》を引いた場合の再抽選を含めても、解決に繋がる確率は1/3+(1/3)^2=4/9しかありません。ちなみに、前期は《魔導書の神判》《グリモの魔導書》の二枚が当たりだったので、一枚から解決に繋がる確率は再抽選を考慮して2/3+(1/3)*(2/3)=8/9でした。

☆《アルマの魔導書》
目的の魔導書を引っ張ってくるだけなら《グリモの魔導書》の方が手っ取り早いですが、《アルマの魔導書》は除外ゾーンの魔導書を復活させられるため息切れを防ぐ効果があり、可能な限りデッキよりも除外ゾーンから魔導書を拾うのが望ましいです。《セフェルの魔導書》まわりの使い方は述べた通りです。
《ゲーテの魔導書》で除外してはいけないカードの筆頭で、《アルマの魔導書》で《アルマの魔導書》を回収することは出来ないので、一度除外された《アルマの魔導書》を回収する手段はありません。今期は墓地の魔導書管理がシビアでいざというときは《アルマの魔導書》を除外して《ゲーテの魔導書》を発動したいシーンもあるので、2枚以上の投入も有り得ると思います。

☆《月の書》
防御に使えることに加えて、魔導では《魔導書士 バテル》に対する《エフェクト・ヴェーラー》を止める役割があります。
魔導では《グリモの魔導書》が手に入らなかったり、最初に使う魔導書を確保出来なかったりすると出来ることがなくなるので、初動の《魔導書士 バテル》に対する《エフェクト・ヴェーラー》は総じて辛いです。《エフェクト・ヴェーラー》に対して《月の書》で応じた場合、裏返した《魔導書士 バテル》は再びサーチ効果を使えるため、《魔導書士 バテル》自体をアドバンテージに勘定しなくても相手の消費は《エフェクト・ヴェーラー》一枚、こちらは《魔導書士 バテル》《月の書》を消費して二枚サーチで±0という形になり、アドバンテージはこちらが一つ有利です。
また、《月の書》で防御を行った場合、返しに《ヒュグロの魔導書》で戦闘破壊する目途が立ちます。

§2:モンスター

今期は《魔導書の神判》禁止により《昇霊術師 ジョウゲン》や《青き眼の乙女》をリクルートして盾にする戦略は成り立たなくなりました。戦線を支えるモンスターの選択も見直すことになります。
個人的には魔導を使用する最大の理由は《ゲーテの魔導書》で、魔導モンスターは二の次だと思っていますが、《ゲーテの魔導書》だけでは相手のライフポイントを削れないので、数値を持っているモンスターを何かしら選んでいく必要があるわけです。
採用するモンスターは基本的に魔導書を扱える魔法使い族である点は動かないと思います。しかし、それ以外に制約は特になく、《魔導戦士 ブレイカー》《見習い魔術師》《青き眼の乙女》《仮面魔道士》などなど、考えられるモンスターはいくらでもいます。キリが無いので少しだけ書きます。

☆《魔導法士 ジュノン》
魔導のダムド、概ね出れば強いですが、魔導書3枚という特殊召喚条件が課題です。
即座に手札の魔導書を増やすことが出来る魔導書は使いづらい《魔導書庫ソレイン》のみで、基本的に手札の魔導書は引いてきた以上の枚数にはなりません。《魔導法士 ジュノン》を使用する場合、初手で6枚引くことを考えて最低でもデッキに20枚前後魔導書を入れることになります。
魔導書を3枚引いた後も、魔導書を場に置いていくことで手札の魔導書は減っていきます。早い段階から場に置きたいのは《魔導書院ラメイソン》や《ゲーテの魔導書》で、一度場に魔導書を置いてしまうと引いてきたり《魔導教士 システィ》からサーチした《魔導法士 ジュノン》は出しにくくなります。場に《魔導書士 バテル》がいれば場の《ゲーテの魔導書》を手札の魔導書に変換でき、相手を牽制する役割と手札の魔導書を確保する役割を同時にこなせます。
出した後はあまり難しいことは無いですが、何度も書いている通り今期は墓地の状態がシビアです。効果を発動することで墓地の魔導書枚数が1枚以下になってしまう場合は、手札から魔導書を除外するのも手です。

☆《魔導召喚士 テンペル》
損無くアタッカーを引っ張れるリクルーターです。
起動条件として魔導書を発動する必要があります。《魔導教士 システィ》と比べ、後続の魔導書をサーチ出来ない上に効果がアドバンテージにならないので、《トーラの魔導書》や《ヒュグロの魔導書》など《グリモの魔導書》以外で起動するのは若干辛く、これも《グリモの魔導書》を必要とするカードの一つと思います。
制約の都合上、《魔導法士 ジュノン》《魔導召喚士 テンペル》を両方手札に持っている場合は1ターンではどちらか片方しか発動出来ません。場に魔導書を置いた後はSSしにくくなるので、《魔導法士 ジュノン》から出すことの方が多い気がします。

☆《魔導天士 トールモンド》
《魔導召喚士 テンペル》を採用している場合は視野に入ります。
アドバンテージの塊のようなモンスターで、自身の戦闘力に加えて出した時点で2アドバンテージが確定しています。
サルベージ効果によって墓地の魔導書枚数は減ってしまうため、可能ならば2枚回収しても《ゲーテの魔導書》の発動が可能な、4枚以上の魔導書が墓地にあるときにSSを狙いたいところです。
引いても《魔導書の神判》からのアドバンテージでごまかせた前期に比べて、今期は手札に引いてきたときが致命傷になります。初動《魔導教士 システィ》からの手札7枚を調整して墓地に放り込む手がありますが、他に処理手段はあまりないです。

☆《お注射天使リリー》
実質的に3400の打点を持つ下級モンスターで、大体のモンスターは戦闘破壊でき、《ヒュグロの魔導書》との相性も良いです。
とはいえ、莫大なライフコストを必要とするため一デュエルで起動できるのは最大で3回までで、《お注射天使リリー》を据えた息の長いビートダウンは有り得ません。《お注射天使リリー》を使用する場合は早めに決着をつけるか、《お注射天使リリー》は使い捨てとみて他の攻め手を用意する必要があります。早期決着を迫られる性質は若干《魔導書院ラメイソン》との相性が悪いです。
効果の使用可能回数が限られている性質上連続攻撃に弱く、3回以上殴られる場合はそのまま敗北に直結することもあります。
例えば、わかりやすいのが対ヴェルズで初動《ヴェルズ・オピオン》に対してぶつけた後です。まず《ヴェルズ・オピオン》に対してまず2000ポイントを支払って戦闘破壊、返しに《ヴェルズ・ケルキオン》から《ヴェルズ・カストル》、《ヴェルズ・サンダーバード》の3体が展開され全てアタックされたとします。これら全てに効果を使うと効果使用回数が4回になりライフが無くなるので、戦闘破壊されることは確定です。どこで維持を諦めてもライフは大きく減り、連続攻撃への脆さが出る形になります。
なお、レベルが低く、単騎でもそれなりの戦闘力を持っているので《魔導書院ラメイソン》から引き出すには手頃なモンスターです。

§3:罠

魔導においては《ゲーテの魔導書》がサーチでき、《トーラの魔導書》も含めて魔導書の中で罠的な役割を担う防御システムが構築されているため、罠の比重は他のデッキと比べると小さいです。
しかし、
1.魔導書は魔法使い族を必要とするため、《魔導教士 システィ》の効果を使用した直後や魔法使い族を除去された場合など、魔導書が使用できないシーンが存在する
2.サーチして場に置く魔導書は相手からも見えているため、意表を突きにくい
3.魔導書は1ターンに1枚しか使用出来ず、それを超える除去・物量で攻められた場合防御出来ない
4.《ゲーテの魔導書》を最初から最後まで毎ターンコンスタントに発動していくことは難しい
5.求められるスペルの性質自体が魔導書に無いものであることがある
などの理由から、罠を採用する必要はあると思います。
相手が《ゲーテの魔導書》を超えるためにモンスターを大量に展開してくることは十分に有り得るため、そこを刈ることの出来る全体除去はそれなりに相性が良いです。

§4:デッキ相性

最後に少しだけ環境デッキに対して思っていることを書きます。

・水精鱗
多段攻めを体現したようなデッキで、場を荒らすことに長け、《ゲーテの魔導書》を踏み越えることも得意です。ゲームスピードも速く、常にワンショットを成立させられる見込みがあり、全体的に相性が悪いです。
《スケープ・ゴート》《和睦の使者》などでなんとか猶予ターンを捻出していきたいところです。

・ヴェルズ
多くのデッキがそうであるように、対ヴェルズは《ヴェルズ・オピオン》をどう攻略するかというところに帰着されてきます。
《魔導法士 ジュノン》をアタッカーとして据えている場合、メインアタッカー間の相性は不利です。《ヴェルズ・オピオン》を弾く手段には《ゲーテの魔導書》や《お注射天使リリー》、《ヒュグロの魔導書》がありますが、《ゲーテの魔導書》は《侵略の汎発感染》、《お注射天使リリー》《ヒュグロの魔導書》は禁じられた系のコンバットトリックや《安全地帯》で対応が可能で、いずれもヴェルズ側のリソース次第で対応される可能性があります。《侵略の汎発感染》を枯渇させれば《ゲーテの魔導書》が通るようになるので、なんとかして死ぬ前に《ゲーテの魔導書》を通せる状態に持って行けないだろうかとか考えています。

・征竜
最近登場し、大抵の征竜で出せるようにチューニングされている《神竜騎士フェルグラント》が脅威です。
《閃b竜 スターダスト》にも《幻獣機ドラゴサック》にも問題なく対応出来る《ゲーテの魔導書》ですが、唯一《神竜騎士フェルグラント》に対しては見てからの効果起動が間に合ってしまうため1枚では解決出来ません。《魔導法士 ジュノン》やスペルなどの除去を重ねることで処理出来ますが、処理出来るかどうかは魔導側の引きに依存するところがあります。独特のセコい粘り強さは相変わらず健在で、あまり処理に多くのリソースを割くわけにもいきません。

・炎星
有利だと思います。
基本的に魔導は低〜中速の罠系ビートダウンに対しては有利です。

おわりです。
ラベル:魔導
posted by LW at 22:28| Comment(2) | カード考察 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大変参考になる考察でした。
ラメイソンの項ですが、今期はトリシューラさんがいるので、アルマの魔導書を墓地に置いておくと、循環で止まって危険です。最優先でラメイソンからデッキへ返したい一枚です。

それと、トールモンドは、バテル×バテル⇒聖光の宣告者からデッキへ返すことが可能です。メインにディメンションマジックなど、不純物を入れずに済むので助かります。
Posted by ハロー at 2013年09月07日 08:46
ありがとうございます。

確かにアルマがふいのトリシューラに飛ばされると詰む場合は、可能な限りラメイソンを用いて逃がしておくのは有効なプレイだと思います。
今のところはアルマを複数枚投入しているので、アルマを逃がすよりは他の魔導書のめぐりを考えてラメイソンの効果を使うことが多いです。

聖光の宣告者については最近ほとんど出さないので完全に失念していました。確かにほぼ損失なくテンペルで呼び出せる状態に持って行くことが出来ますね。ありがとうございます。
Posted by LW at 2013年09月08日 02:56
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