特殊勝利デッキが完全に地雷と化した今、投入するスペースが無い(あるなら逆ストで勝てる)のでサイドカードの話はしません。チェーンバーンの話が出ると必ずサイド対策で勝てるマンが現れるんですけど、そんなスペースはありません。プレイングの話をします。
0.サンプルレシピ
2014/1/13 三重CS2位 とりでマン【チェーンバーン】/ねぎとろ【チェーンバーン】→■
1.バック破壊カードの使い方(ターボ全般)
セットカードを中心にデュエルを展開するターボデッキに対し、バックに触るカードは最も直接的に相手の戦略に干渉していくリソースになります。
1-1.SS2のバック破壊カード
《サイクロン》等、相手ターンに使用出来るカードについてです。
基本はチェーンを潰して確実な1:1交換を取れるエンドサイクです。エンドで撃っていれば損な取引をすることはまず無いので割と適当に撃っていってもいいのですが、エンドサイクは1:1交換をする以上に《積み上げる幸福》を潰せる可能性のあるアクションです。
例えば相手が3伏せ、中身が《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《積み上げる幸福》だとして、ここにエンドサイクを撃ちます。このとき、《積み上げる幸福》を破壊した場合だけではなく、《八汰烏の骸》を抜いた場合でも残る伏せは《強欲な瓶》《積み上げる幸福》となり、次のターンで《積み上げる幸福》に辿り着くことが(こちらが無駄にチェーンを積んで自滅しない限り)出来なくなります。つまり、3伏せの中から《積み上げる幸福》を破壊出来なかったとしても、返しのターンでは一時的に《積み上げる幸福》は封印されることになります。封印状態の《積み上げる幸福》を破壊するのはSS1のカードでも間に合うので、エンドサイク以外で本来フリーチェーンの《積み上げる幸福》を潰せることになるわけです。もし返しで破壊出来なかった場合であっても、その《積み上げる幸福》が使えるのは次のターンにフリーチェーンを補充し、それらを発動する更に次のターンになるので、テンポへの被害は大きいです。
また、エンドサイクは連射することで4枚以上のフリーチェーンが伏せてある場合でも《積み上げる幸福》を封印出来ることや、伏せが少なければ少ないほど《積み上げる幸福》が封印される確率が上がることがわかります。
連射を狙って《サイクロン》を溜めこむ余裕はあまり無いのですが、そんな感じで《積み上げる幸福》の位置を意識出来ると良いと思います。
1-2.SS1のバック破壊カード
まあ結局のところ《サイクロン》はエンドで適当に使っても有効で、差が付くのはより数の多いSS1の使い方です。
SS1のバック破壊を使うべきタイミングは
・エンドサイク発動直後
・メインフェイズ2
・相手の《一時休戦》の発動直後
などです。エンドサイク発動直後に使うと《積み上げる幸福》を潰せることはさっき説明したので、二つ目について書きます。《一時休戦》については《一時休戦》の項目で書きます。
例えば、既にこちらが致死量相当の戦力(相手が《和睦の使者》等を発動しなければライフを削りきれる戦力、毎ターン相手に防御カードの使用を迫れる戦力)を構えており、相手が4伏せという状況でハンドに《魔導戦士 ブレイカー》を持っているとします。
このとき、漠然と攻撃反応罠を恐れ、殴る前に《魔導戦士 ブレイカー》を召喚して効果を発動するのはかなりの愚策です。正解はまず先に攻撃宣言、防御カードの使用を確認してからメイン2に《魔導戦士 ブレイカー》召喚、破壊効果です。
簡単に言うと、これは相手のエンドサイクケアのプレイングを狩るためです。
まず相手の立場になって考えてみると、前ターンに伏せるカードを決定する段階から常にエンドサイクのリスクに晒されていることがわかります。《和睦の使者》系の防御罠はエンドサイクには無力であり、例えば《和睦の使者》《強欲な瓶》《八汰烏の骸》という伏せでターンを返したとき、エンドサイクで1/3、連射なら2/3で《和睦の使者》を抜かれた場合、他の伏せが生きていようが即死です。《和睦の使者》が文字通りの生命線であり、なんとしてもこれを抜かれることを避けなければいけないわけです。このとき、エンドサイクをケアする最も簡単なプレイは出し惜しみせずに防御罠を2枚伏せておくことです。先程の伏せに更に《威嚇する咆哮》を足し、《和睦の使者》《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《威嚇する咆哮》と伏せておくことでエンドサイクを撃たれても敗北は無くなり、連射されようが2枚を綺麗に抜かれる確率は1/12まで下がります。さっきと比べると生きる確率は8倍です。《バトルフェーダー》《速攻のかかし》を持っている場合は即敗北ということは無くなりますが、それらも《虚無空間》や《月の書》でケアは可能なので、保険をかけて罠を重ねて伏せることは十分にあり得る選択肢になります。
《魔導戦士 ブレイカー》の話に戻ります。
相手がエンドサイクをケアするセットを行っていたとして、まず《和睦の使者》《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《威嚇する咆哮》という内容の伏せに対して殴る前に破壊効果を使った場合、何を踏んでも発動されてしまいます。《和睦の使者》を踏まれたら《和睦の使者》を捲ればいいだけ、ドローソースを踏まれればドローソースを捲ればいいだけです。破壊効果は全く何の影響も持たず、貴重な破壊効果をドブに捨てているのと同じです。
ところが破壊効果を使う前に攻撃宣言をすると、バトルフェイズで《和睦の使者》を消費する必要が生まれます。バトル終了後の伏せは《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《威嚇する咆哮》となり、このうちエンドサイクケアで伏せた《威嚇する咆哮》はメインフェイズ2では既に役割を失っているため、対象にされれば破壊されるしかないわけです。《魔導戦士 ブレイカー》で《威嚇する咆哮》を破壊出来た場合、そのまま次ターンの防御を削ることに繋がります。
もちろんハズレを踏むこともありますが、何を踏んでも無意味だったバトル前に比べれば一定の確率で意味のあるアクションが出来るわけですから、有効なプレイングと言えます。
なお、防御罠の中でメインフェイズ2でも発動を持ち越せる例外が《魂の氷結》と《スケープ・ゴート》です。
《魂の氷結》はメインフェイズ2で発動した場合でも次の相手ターンのバトルフェイズをスキップするため、エンドサイクケアをケアしたメイン2破壊のプレイを更にケア出来ます。発動条件の都合上チェーンバーンにはまず入らないカードですが、発動出来るデッキ、特に活路系のデッキではそうした理由でかなり有力な防御札です。
ちなみに、自分が持っている破壊カードが《大嵐》である場合はメインフェイズ1でも2でもエンドサイクをケアした分の罠を削れるので、この理由での発動待ちは行う必要がありません。が、それでもメインフェイズ2で発動すべき別の理由があります。
もう一つの理由とは、相手の甘えた伏せを狩れることです。この場合は「メインフェイズ1に何も発動しないこと」が肝になってきます。
甘えた伏せとは、相手がこちらのアクションに期待した《積み上げる幸福》に繋げる3伏せのみを仕込んでいるようなセットで、具体的には伏せが《積み上げる幸福》《強欲な瓶》《和睦の使者》のようなケースです。このとき、ターボ側は相手が何かを発動したのにチェーンする形で《和睦の使者》《強欲な瓶》《積み上げる幸福》と捲ってドローすることを狙っています。この状態でこちらがメインフェイズ1で何も発動することなく攻撃宣言まで行動した場合、相手は死なないために攻撃宣言時で《和睦の使者》を捲る必要が生まれます。このときチェーンは最大でも3までしか積めないので、《強欲な瓶》《積み上げる幸福》は場に残ることになります。そしてメインフェイズ2に《大嵐》を使うと、伏せ2枚では《積み上げる幸福》を発動出来ないので、そのまま通って《積み上げる幸福》を破壊出来ます。《大嵐》以外の破壊カードを発動する場合も同様です。
これはターボ側の裏目のある伏せに付け込んだプレイングと言えますが、ターボ側が下手だからこういう伏せ方をしてしまうわけではなく(そういう場合もありますが)、リソースが細い場合、《積み上げる幸福》が被ったりしてチェーンを積み上げる役割のカードが少ない手札の場合などは、こういう甘えた伏せで構えるしかなくなってしまうことがあります。仮に4伏せだったとしても内容が《積み上げる幸福》《積み上げる幸福》《強欲な瓶》《和睦の使者》等であれば起こるケースです。
2.各カードへの対応
2-1.積み上げる幸福(ターボ全般)
破壊カードの使い方の項で書いたので大体全部なんですけど、気持ち程度に他のことを書きます。
まずカウンターカードを持っているとき、いかにも《積み上げる幸福》に繋がりそうなチェーン積み上げを見た場合、チェーン3に対してSS3のカウンターを打ち込むと《積み上げる幸福》を潰せます。このとき、捲れずに残っている伏せは《積み上げる幸福》である可能性が高いというのもポイントで、もはやその《積み上げる幸福》はフリーチェーンではなくなるので、続くアクションで破壊出来ると理想的です。
同名カードをチェーン上に積むことで《積み上げる幸福》を封印するテクも極々稀に使えます(ほとんど使えません)。例えば《強制脱出装置》を2枚持っている場合、1枚目の《強制脱出装置》で相手のチェーンを誘い、3までチェーンが積まれたのを確認してからチェーン4で2枚目の《強制脱出装置》オープンというアクションで《積み上げる幸福》を潰せます。《王宮の弾圧》が現役の頃はチェーンバーンの《王宮の弾圧》にチェーンでこちらも《王宮の弾圧》空オープンとかいうこともあったんですけど、今ターボ側と同じカードを使えることはあんまり無いですね。
2-2.スケープ・ゴート(ターボ全般)
状況にこそ左右されるものの1枚で2ターンを生き延びる可能性があるのが最大の強みで、これに成功した場合は1枚で2ドローを稼ぎ出すので《積み上げる幸福》相当の働きをすると言えます。除去カードの増えた現在にあっても、《スケープ・ゴート》を捲らせつつ羊4体を処分しながら致死ダメージを準備するほどの展開をすることは簡単ではありません。
特にチェーンバーンにおいては他のカードと細かいシナジーを形成し、相性が良いのは《おジャマトリオ》《自業自得》《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》あたりです。《おジャマトリオ》成立下ではアタッカーは最大でも2体になるので羊4体が確定2ターンの防御に化けるほか、羊を超えるためにモンスターを並べると《自業自得》に焼かれたり《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》に食われるというジレンマを押し付けてきます。
さて、《スケープ・ゴート》を意識するにあたって最も手頃な対策は貫通モンスターのアタックです。ダメージがダダ通りになり、羊トークンは実質防御として機能しなくなります。当然ではありますが、《スケープ・ゴート》は特に理由が無ければバトルフェイズに発動されるカードですから、捲れたのを見てから初めて貫通モンスターを意識するのでは遅すぎます。バトル前から《スケープ・ゴート》を想定してあらかじめ《迅雷の騎士ガイアドラグーン》をランクアップさせて攻勢に加えたりしておくことで、《スケープ・ゴート》発動ターンにも貫通ダメージを生産出来ます。ちなみに、羊トークンを貫通して通すダメージは《バトルフェーダー》《速攻のかかし》等の一部の防御カードに妨害されないため、貫通モンスターを構えた場合は貫通能力を持たないモンスターでは羊トークンにアタックせずに貫通持ちで殴る用に残しておくのも手です。
次に、《スケープ・ゴート》をケアした攻撃順序について話します。
例えば、こちらの場が《ドッペルゲンガー》《マシンナーズ・フォートレス》、相手が《スケープ・ゴート》を伏せているとします。このとき、手なりで攻撃力の低い《ドッペルゲンガー》から攻撃するのは悪手です。
何故かというと、脅威度の低いモンスターから先に攻撃をした場合、相手には《スケープ・ゴート》を発動しないという選択肢が生まれるからです。《ドッペルゲンガー》からアタックしたとして、相手は《ドッペルゲンガー》の攻撃をスルー、続く《マシンナーズ・フォートレス》の攻撃に初めて《スケープ・ゴート》を合わせることで、650のダメージと引き換えに羊トークンの損失を1匹に抑えることが出来るわけです。次のターンにこちらがモンスターを1体しか追加できなかったとすれば、残り3匹の羊トークンを潰すのが限界で、2ターンに渡りまともなダメージを通すことが出来ません。
《マシンナーズ・フォートレス》から殴っておけば、相手は2500ダメージをスルー出来ないので《スケープ・ゴート》を捲らざるを得ません。そのまま《マシンナーズ・フォートレス》の攻撃を続行して1匹を消し、続けて《ドッペルゲンガー》のアタックで計2匹を葬ります。先程と同様に次のターンでモンスターを1体しか追加できなかったとしても、残りの羊は2匹なので《マシンナーズ・フォートレス》の直接攻撃を通すことが出来ます。脅威度の高いモンスターから攻撃することで《スケープ・ゴート》の発動を強制することが出来るわけです。
2-3.速攻のかかし(ターボ全般)
有名ですが、《速攻のかかし》が発動したときに殴っているモンスターを《月の書》で裏側にしたり場から離したりして攻撃から取り除けば《速攻のかかし》は不発になりバトルフェイズ終了を回避出来ます。それだけです。
2-4.一時休戦(主にチェーンバーン)
パワーカードの一つです。防御とドローを兼ねるため、《積み上げる幸福》と並びアドバンテージリソースになります。
《一時休戦》は発動しても手札が減らないため、それまでに《積み上げる幸福》や《カードカー・D》で手札を増やしていた場合に手札が7枚を超えることも珍しくありません。そこはフリーチェーンを擁するチェーンバーン、魔法罠を場に伏せれば手札調整を逃れることが出来るわけですが、ここにも付け入る隙が有ります。《一時休戦》は発動したプレイヤーだけではなく、発動されたプレイヤーも次ターンのダメージを受けなくなるのがポイントです。
《一時休戦》を発動した次のターン、チェーンバーンがバーンカードを発動しても当然相手にダメージは入りません。これはチェーンバーン側にとっては《一時休戦》を発動した直後にはバーンカードをセットしたくないということを意味します。もし伏せたバーンカードが《一時休戦》適用中の返しでSS1の除去を受けた場合、捲ってもダメージが入らないため、ただ単にカード一枚を損したことになるからです。和睦系カードについても同様で、元々《一時休戦》の効果でダメージを受けないので、《和睦の使者》を伏せて破壊対象にされた場合は損になります。
つまり《一時休戦》発動直後にはバーンカードも軽減カードも伏せたくないのです。結果、伏せられるカードはかなり限られてきて、安全に伏せられるカードはSS2以上のドローソース等、《強欲な瓶》《八汰烏の骸》《おジャマトリオ》とか、その程度です。それらが引けていればそれを伏せて逃げられますが、手札調整の超過枚数分引けていない場合は、泣く泣く発動出来ないカードをセットすることになります。これを見逃す手はなく、返しに封印状態のカードを破壊出来ればそれはそのままアドバンテージになります。
つまり《一時休戦》発動直後、かつ相手が手札6枚を保持している場合はSS1の破壊効果が有効な可能性があるということです。ダメージが入らないからといって漫然とターンを回すのではなく、除去を当てるチャンスが訪れたと心得るべきです。
なお、このシチュエーションでは相手がセットを行う順番にも注意したいところです。伏せる順番に明らかなタイムラグがあった場合、後伏せしたカードの方が破壊すべき封印状態のカードである可能性が高いです。伏せるのが確定しているカードは先に伏せてしまって、その次に封印するカードを選ぶのが常識的な心情だからです。タイムラグを付けてセットしたにも関わらず本命を後伏せするプレイが出来るプレイヤーはかなり遊戯王が上手いです。
2-5.虚無空間(主にチェーンバーン)
チェーンバーンの《虚無空間》ではなく、自分の《虚無空間》についてです。《儀式魔人リリーサー》とかでも良いんですけど、この項目では特殊召喚封じのカードの扱いについて書きます。
意外にもチェーンバーンには影響を受けるカードが多く、比較的有効なカードです(むしろSS封じが蔓延している環境ではチェーンバーン側がそれを嫌って特殊召喚絡みのカードを抜いている可能性があります)。
・《スケープ・ゴート》
・《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》
・《おジャマトリオ》
・《バトルフェーダー》
いずれも強力なカードであり、これらを腐らせることで相応の痛手を負わせることが出来ます。チェーンバーン側は相手に触るカードを持っていないため、相手から解除されることもありません。
《虚無空間》を捲るに際して若干注意したいのが《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の存在です。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》はこの中では唯一特殊召喚時にチェーンを組まないカードで、見てからの《虚無空間》が間に合わず、また、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》が着地した状態では《虚無空間》を捲りづらいです。《虚無空間》中には《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を処理しづらいので、ダメージを食らい続ける羽目になるからです。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を避けたい場合は《虚無空間》はなるべく先捲りするべきです。
更に言うと、先捲りで裏目になるのが《おジャマトリオ》です。
《虚無空間》チェーン《おジャマトリオ》というのはやや悪い展開です。逆順処理でおジャマトークンのSSが通ってしまい、《虚無空間》下ではチューナーを持っていたとしてもおジャマトークンを処分出来ず、ゆるゆると二体モンスターを並べて殴るしかなくなってしまいます。
この裏目をケアするにはフィールドを埋めた状態で《虚無空間》を捲るとか、エンドフェイズに捲るとかの工夫が必要になります。致命傷というほどではないので、可能ならという感じです。
2-6.おジャマトリオ(チェーンバーン)
おジャマトークンが処理出来ない盤面は非常に危険です。
《おジャマトリオ》が通ると発生する副次効果は3つです。
・殴れるモンスターが減るため通るダメージが少なくなる
・《自業自得》《仕込みマシンガン》の火力が爆上がりする
・システムモンスターを出せなくなる
チェーンバーン側からすれば殺すために引かなければいけない火力の必要枚数が減り、身を守るための防御カードを温存でき、《ブラックフェザー・ドラゴン》などの厄介なモンスターの登場が有り得なくなるため、一度通ってしまえばそれだけで2ドローや3ドローに相当するアドバンテージとなります。
《おジャマトリオ》ケアについて、まずはチューナーを場に残すのを心がけることです。
例えばハンドに《六武衆の影武者》、伏せに《諸刃の活人剣術》、墓地の《真六武衆−キザン》《真六武衆−カゲキ》を蘇生して《真六武衆−シエン》か何かを出したいシーンで、《諸刃の活人剣術》から捲るのはミスです。《六武衆の影武者》召喚から入って着地後に《諸刃の活人剣術》を捲るのが正解です。
《六武衆の影武者》召喚から入ると《諸刃の活人剣術》にチェーンの《おジャマトリオ》で《諸刃の活人剣術》が不発になりますが、それはそれで構いません。すぐにシンクロしてどかせますから、フィールドがおジャマトークンで埋まることに比べればカードの一枚や二枚が不発になることは許容と考えるべきです。
また、《おジャマトリオ》を意識した通常召喚権の扱いについても書きます。
なんか色々あって、《六武衆の影武者》と《六武衆推参!》がセットされた状態でターンが返ってきて、ハンドと墓地に《六武衆−ザンジ》という状況になったとします。
《六武衆の影武者》と《六武衆−ザンジ》を混ぜて6シンクロで攻めたいと思っており、素材にする《六武衆−ザンジ》は手札から召喚するか墓地から蘇生するかの選択肢があるわけですが、どのように展開するべきか。
蘇生を温存したときの効果などはひとまず考えないことにして、どちらから出すべきかというと、《六武衆−ザンジ》蘇生からです。
相手から見た《六武衆−ザンジ》蘇生直後の盤面を考えてみると、裏守備・《六武衆−ザンジ》という状態です。この状況では相手は《おジャマトリオ》の発動を待てません。通常召喚という行為はチェーンを組まないので、《おジャマトリオ》を発動せずに後続のモンスターの通常召喚を見逃してしまうと、フィールドが3つ埋まり、もはや永久に《おジャマトリオ》を発動出来なくなる可能性があるからです。こうなってくると、裏守備がチューナーでない可能性に賭けて、《おジャマトリオ》を発動せざるを得ません。この場合、《おジャマトリオ》処理後に《六武衆の影武者》反転、シンクロして処理することが出来ます。
これが《六武衆−ザンジ》通常召喚から入ってしまうと、相手は焦っておジャマトリオを発動する必要はなくなります。大抵の特殊召喚はチェーンを組むので、特殊召喚の宣言を見てからチェーンで《おジャマトリオ》の発動が間に合うからです。
多少例が不自然になってしまったんですけど、今言いたいことは通常召喚権を温存するプレイには《おジャマトリオ》の発動を焦らせる効果があるということです。
3.その他
3-1.ルーラーを過信するな(ターボ全般)
《王宮のお触れ》が有効なことからのアナロジーなのか、ターボデッキを相手取ったときに絶大な信頼を寄せられがちな《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》ですが、実際にはそれほど有効ではありません。
封印宣言に対してチェーンで罠を発動するタイミングがあるのが致命的で、罠宣言をしてもフリーチェーンは全て問題なく発動出来るし、防御カードも普通に有効になります。モンスター宣言をすればフリーチェーンではない手札誘発を潰せますが、他の防御罠を3枚引き込むだけで出番は終了となり、手札誘発が息を吹き返します。特に最悪なのが《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》を出したいあまりに場の総打点を下げてまでエクシーズ召喚してしまい、殴っても相手が死なない盤面にしてしまうパターンです。相手にとっては防御が潰されるどころか一回防御する必要が無くなるので《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》が出ることで敗北に近付いたとすら言えます。
なお、《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》を使いまわすことで抑え込みをかなり有効に使うことが出来ます。《強制脱出装置》などのバウンスを駆使して複数回出すことが出来れば、3回では足りずとも、6回の宣言で防御が枯渇する確率はそれなりに高まります。他にも《ダイガスタ・エメラル》を使った再利用ルートで、例えば《ギアギガント X》から《マシンナーズ・ギアフレーム》経由で《マシンナーズ・フォートレス》を回収しながら《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》X召喚→《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》効果3回使用→《マシンナーズ・フォートレス》で《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》をリリース→ガジェット2体で《ダイガスタ・エメラル》、《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》回収→ガジェット3体で再度《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》というルートで(《血の代償》を経由して)メインギミックだけで《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》を出し続けられます。他にも《鳥銃士カステル》対象《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》など、意外と回収手段はあります。
全く効かないわけではないし狙えるなら狙って良いとは思いますが、《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》を出せば勝てるという謎の幻想は捨てるべしということです。
3−2.ブラフを置け(ターボ全般)
セットカードが一枚も無い状態でターンを回すことは避けるべきです。
エンドフェイズに伏せが無いと、相手はエンドサイクをケアする必要が無くなるからです。防御カードを2枚伏せなくても良くなった部分に代わりにドローソースを置いてデッキを回しにいったり、とにかく楽になります。エンドサイクとして撃てるタイミングで捲らなかった伏せはブラフと看破され次ターン以降ケアされなくなる恐れもあるので、可能なら毎ターン伏せを入れ替えていけるとなお良いです。どうせセットしたカードが割られることは無いので適当に。
3-3.先後の選択(ターボ全般)
ターボデッキはコンボデッキです。
《カードカー・D》や《積み上げる幸福》で増やしたアドバンテージからアドバンテージカードを更に連鎖させていき、薄くなったデッキからキーカード・パワーカードを引き込んでいく構造をしており、個人的には聖刻よりもインゼクター、一度溶けると雪崩れていくタイプのデッキだと思っています。
これを踏まえて、チェーンバーンに対しては初動を潰すことで以降の機能停止を狙う方針が有効であることを意識したいところです。
先攻を取る場合、先手で《サイクロン》を主とする除去をセットすることでターボ側の後攻1ターン目の初動を潰し、そのまま何もさせずに押し勝つ目途が立ちます。
後攻を取る場合、今度は事故勝ちが狙いやすくなります。ターボ側の初手5枚のうちにドローソースなどを起動する手札が整っていない場合、後攻から殴れる1ターンが増えます。
一概には結論は出せないですが、先に伏せて妨害出来るカードが多い場合は先行、そういう戦略が立ちにくい場合は後攻が丸いと思います。
3-4.神の宣告(ターボ全般)
対チェーンバーンでは使い道が全く無いようでちょっとあるのが《神の宣告》です。
適当に撃つのは厳禁で、撃てるのはライフが大きく減った最終盤、引導火力のカウンターです。死なないところが死ななくなるので実質バーンカード1枚をそのまま無効に出来ると言えます。もう一枚あったら終わりですが、ギリギリの状況では勝負を分けることも無きにしも非ずと言う感じで、奥の手を拾ったという感じでポジティブに伏せましょう。
活路系のデッキが相手の場合は全く状況が異なり、《神の宣告》は1枚で勝ちが見えるゴッドカードになります。カードを1枚カウンターした上にこれまでの《三位一択》《成金ゴブリン》によるゲインを全て無効にし、《積み上げる幸福》以上の大量ドローが見込める《活路への希望》を以降全て潰すことが出来ます。
3-5.アドバンテージは捨てろ(チェーンバーン)
これは常識だと思うんですけど、《仕込みマシンガン》《自業自得》のダメージを軽減するため、対チェーンバーンで不要なカードは可能な限り手札・場から離すべきという例の話です。
アドバンテージの捨て方としては《大嵐》に巻き込む、積極的に手札コストを支払う、サーチ効果を使わないなどです。特に《マジックテンペスター》や《氷結界の龍グングニール》のように高効率でアドバンテージを捨てていける上にエクストラから出せるカードは構築段階で意識しておくと吉です。
しかし、使いどころの少ないカードでも使い道皆無というわけではなく、どこまで捨てていくかは悩むべきところではあります。絶対に使わないのは攻撃反応罠くらいで、《激流葬》《奈落の落とし穴》《エフェクト・ヴェーラー》は《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》《カードカー・D》とかに発動する見込みがあります。バックは1枚持っても《仕込みマシンガン》のダメージが200増えるだけなので、1、2枚は除去を残しておくのが丸いような気がします。
さて、手札を捨てる起動効果を持つモンスターを構えた場合、完全に単騎でのビートが可能になります。
例えば、《氷結界の龍グングニール》です。ドロー→アタック→ドローカードを捨てて効果(対象は適当)→エンドというルーチンで動くと、ほとんどリソースを持たずにアタックを続けることが出来ます。
この状態では相手が使用する各バーンカードの火力は大きく下がります。仕込みマシンガンは400固定、自業自得は500固定であり、2種6枚を撃ち尽くしたとしてもダメージは2700に留まります。唯一《連鎖爆撃》だけはそこそこの火力が期待でき、6コンボ2400ダメージくらいは出すかもしれません。モンスターを1体しか構えていない限り《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》を出されることが無いので、攻めているモンスターが除去されることもありません。相手はキーカードが減った状態で毎ターン防御カードの払い出しを強要されるわけですから、基本的に優位な状況であると言えます。
ただ、基本的に優位なだけで絶対優位ではありません。
優位を崩すカードがトークン生成二種、《おジャマトリオ》《スケープ・ゴート》です。
《おジャマトリオ》は強制的にモンスターゾーンを埋め、死んでいたはずの《自業自得》(《仕込みマシンガン》も若干)が息を吹き返します。また、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の生け贄を供給してしまうため、せっかく構えたモンスターが除去されてしまいます。ここまでアドバンテージを投げ捨ててきているので、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》で生命線のモンスターが除去されたが最後まともな展開は期待出来なくなり、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》で焼かれるのも時間の問題、一気に状況は悪くなります。
《スケープ・ゴート》についてはチェーンバーン側の猶予ターンの捻出が容易になるのが厄介です。《マジックテンペスター》のような破壊効果を持たないモンスターを構えていた場合は特に最悪で、《スケープ・ゴート》が捲れた時点でチェーンバーン側に4ドローが確定します。この間に溜め込みを許してしまい、《おジャマトリオ》や二枚目の《スケープ・ゴート》、十分な火力などの解決策を引き込まれる危険が高まります。
羊を叩くためにドローしたモンスターを送りだしたらそれはそれで《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の裏目がケア出来なくなる危険も生まれるあたりは《スケープ・ゴート》の強みです。
3-6.爆弾カード(チェーンバーン)
見えたら面倒な爆弾カードが2種類あります。
《メタモルポット》と《魔法の筒》(《ディメンション・ウォール》)です。どちらも除去されるリスクがあり発動条件が厳しい代わりに異常に効率が良く、発動したら勝ちと言ってもいいほどのパワーカードです。
(除去過多な昨今では多分)どちらかといえば入っていない確率の方が高いので過剰に恐れて手を緩める必要はないですが、可能ならケアしたいところ、一回発動されたり《強欲で謙虚な壺》で捲れて見えていた場合は特にです。
《魔法の筒》ケアとして、「最大モンスターは殴らない」というプレイングが有効です。自軍の攻撃力の低いモンスターから順に殴り(《スケープ・ゴート》を意識する場合は二番目あたりから適宜)、一番攻撃力の高いモンスターは殴らずにバトルフェイズを終了します。相手は攻撃力最大のモンスターに《魔法の筒》を直撃させようとしているので、この手順で殴れば《魔法の筒》を発動させずに場に腐らせることが出来ます。一発芸というわけでもなく、一度このプレイングを見せることで次の攻撃時には相手は二番目に攻撃力の高いモンスターに《魔法の筒》を発動する羽目になったり、妙な行動を取らざるをえなくなってきます。
裏守備は流石に除去しましょう。以前はチェーンバーンの裏守備は《クリッター》と《メタモルポット》の二択で、《メタモルポット》を警戒して一生懸命除去をしたら《クリッター》が捲れて《バトルフェーダー》を回収されるということもあったんですけど、今は《クリッター》禁止なので決め打ちで良いです。
3-7.詰めているモンスターの信頼性(チェーンバーン)
3-4とも関連する話題です。
例えば《ブラックフェザー・ドラゴン》を構えることに成功し、《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》ケアで他のモンスターは一切出しません、このまま毎ターン殴っていれば勝ち確!かというと実はそうではありません。チェーンバーンにはまだ《おジャマトリオ》→《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》という解決手段があります。裏目というには細い線ではありますが、3枚ずつ積めるので無視は出来ません。
逆に言えば、この裏目を潰している場合は本当に勝ち確になります。後ろで《虚無空間》を盾にして前に《ブラックフェザー・ドラゴン》を構えた場合や、《ブラックフェザー・ドラゴン》の代わりに《電光−雪花−》《人造人間−サイコ・ショッカー》を構えた場合などです。普通は除去手段は入っていないので、勝ち確と言って良いでしょう。
完全に詰んでいるかどうかという判定が問題になってくるのは主に《スケープ・ゴート》絡みのやりとりです。
《ブラックフェザー・ドラゴン》の単騎ビートが《スケープ・ゴート》に阻まれた場合やはり4ドローが確定、デッキを掘り下げることに長けているチェーンバーンが解決に辿り着く可能性が上がります。単騎ビートを続行すべきかどうかは一概には言えなくなり、モンスターを追加する選択も検討するべきです。
しかし、《電光−雪花−》単騎ビートの場合は《スケープ・ゴート》に攻撃を阻まれたからといって解決に辿り着かれることは永遠にないので、羊が現れたからといって焦って横にアタッカーを追加することは《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》の裏目を増やすだけの行為になりますから、盤面を崩さずに単騎ビートを続行すべきです。
これが穴のあるモンスターと完全に信頼出来るモンスターの違いで、この見極めが勝負を分けます。自分が詰めているカードが100%詰んでいるかどうかをよく確認するべきです。
以上