ゲートはビートダウンとワンキルの二つの戦術を持っているデッキだけども、それだけに「ワンキル出来るシーン」を見極めないとその二本柱の真価を活かすことが出来ない。
如何に相手の隙を見つけて瞬間最大火力を叩き込むか、如何に状況に応じて殺し切るルートを搾り出すことが出来るかで勝率はかなり変わると思う。別に今もそんなに強いわけじゃないけど、伏せ読みの徹底、常にキルを視野に入れたプレイをせずに戦っていた頃は凄く弱かった。
想定する伏せは《サイクロン》《月の書》《次元幽閉》《聖なるバリア−ミラーフォース−》《激流葬》《奈落の落とし穴》《神の警告》でも挙げておけば十分でしょう。BF戦は《ゴッドバードアタック》も絡む。
☆《E・HERO エアーマン》破壊効果について
基本は1破壊で、展開によっては2破壊が視野に入ることもあるかなってくらい。相手の伏せがこちらのHEROよりも多い場合と、同数あるいは少ない場合で破壊効果の強さは結構変わる。伏せの枚数が破壊可能な枚数よりも同数か少ない場合は、基本的にチェーンされようとされなかろうと伏せを全て剥がしきれるからだ。《E・HERO エアーマン》破壊効果は下級モンスターの召喚権を一回使うだけで済むので行動としては軽めでリターンが見込みやすい方。
・《サイクロン》
チェーンされてもアドバンテージは損せず破壊枚数にも影響しない。特に《サイクロン》含む複数枚伏せの場合は発動してくれた方が的が絞りやすくなる。
・《月の書》
横のHEROに発動された場合は立て直すだけだし、《E・HERO エアーマン》を対象に発動するくらいが関の山。ただ、チェーン発動することによって破壊対象のうちの一枚を《月の書》に確定させることが出来るので、チェーンされること自体は割と多い。元々ゲートに《月の書》はあまり使う機会が無いしね。
・《聖なるバリア−ミラーフォース−》《次元幽閉》
割って終わり。なんだかんだ言ってこの二枚は中々強力で、割れた時は結構嬉しい。
・《奈落の落とし穴》
《E・HERO エアーマン》は死んでも破壊枚数は変わらないし、むしろ融合HEROへの《奈落の落とし穴》が消えて動きやすくなる。
・《神の警告》
《E・HERO エアーマン》召喚という行動で消費するのは召喚権程度のもので、1:1交換以上の成果は挙げられないので警戒する必要はほとんど無い。特に《神の警告》単騎セットの場合は機能しないと言ってもいい。
・《激流葬》
ほぼ万能な《E・HERO エアーマン》が唯一壊滅的に苦手にする伏せ。効果解決時に枚数を数えるということは解決時にHEROがいなければ一枚も破壊出来ないということでもあるし、破壊に強いはずの《E・HERO The シャイニング》も「1:《E・HERO エアーマン》→2:《激流葬》」という順にチェーンを積むためタイミングを逃してしまう。結果、《E・HERO エアーマン》は1800のバニラとなり何の役目も果たせない。一応《激流葬》単騎伏せの場合は、空の場に高火力を叩き込める《ミラクル・フュージョン》が回答として動きうるが、複数枚伏せのうちに《激流葬》がある場合は手に負えない。
ただ、《激流葬》自体の弱点に注目することである程度《激流葬》自体の性能を弱め、発動を躊躇させることは出来る。具体的には相手の場にモンスターがいる場合がそうで、《激流葬》を発動されても何とか2:2交換にまで落とし込める。つまり、相手の場にモンスターが何かしら存在するときに《E・HERO エアーマン》を召喚するのが望ましいということになるが、ここでシナジーするのが《くず鉄のかかし》。本当に外さないヤツだ。
・《ゴッドバードアタック》
「解決時対象選択」の力でフリーチェーンかどうかは最早関係無く、むしろ最低でも2:2交換に抑えられる分《激流葬》よりは対応しやすい。また、相手は他にバックがある場合他のHEROを破壊せざるをえないことが多く、威力の低下を誘いやすい。具体的には、
相手場:《次元幽閉》、《ゴッドバードアタック》、鳥獣族
自分場:《E・HERO プリズマー》、《E・HERO エアーマン》(効果発動)、バック2枚
という構図だったとする。普通は、相手はどうとでも処理出来そうな《E・HERO プリズマー》は放置してバック2枚の方を処理しに行きたいはずだが、《E・HERO エアーマン》の「解決時カウント」の力がそれを許さない。《E・HERO プリズマー》を放置した場合、解決時に《E・HERO プリズマー》をカウントし《次元幽閉》が破壊されてしまうのだ。相手側から見て《E・HERO プリズマー》の破壊はマスト、こちらとしてはあまり手をつけて欲しくなかったバックは守られる。破壊対象が一枚の《デュアルスパーク》の場合は更にそれが顕著。
☆《E・HERO The シャイニング》《E・HERO アブソルートZero》
《E・HERO The シャイニング》は《奈落の落とし穴》《次元幽閉》に弱く、《E・HERO アブソルートZero》は相手の場にモンスターがいる時ならいつでも強いことを覚えておくくらい。《奈落の落とし穴》の採用率が低い今《E・HERO The シャイニング》は相対的に強く、《次元幽閉》を何としても避けたいところ。《次元幽閉》を消費させるため、《E・HERO オーシャン》あたりを捨て駒にして《次元幽閉》を引きずり出せるとグッド。例えば、こちらの場にバックが多い状態で《E・HERO オーシャン》の直接攻撃を宣言したとする。相手としてはたとえ手札に攻撃力の高い下級を握っていたとしても返しの攻撃をバックに妨害され《E・HERO オーシャン》を殺せない可能性が大いにあり、その場合《E・HERO オーシャン》の効果を通してしまうリスクは高い。そのリスクを背負うくらいならば、攻撃よりはまだ妨害されにくい《次元幽閉》で今殺しておこう…という感じ。《E・HERO オーシャン》のプレッシャーは相当なものだから上手く使いたい。実際のところ消耗戦でも無いと場に残りにくいけど、《E・HERO オーシャン》処理のために無理のある行動をさせている可能性があるということは覚えておくべき。
☆《月の書》
伏せ読みとして外せないトピックがこれ。
《月の書》はシンクロ対策を筆頭にメインフェイズ中の行動妨害がメインのカードであって、初めから殴り返し「のみ」を念頭に置いて《月の書》を採用するようなことがあればより確実な《炸裂装甲》でも入れておけばいい。そういうタイミング無くフィニッシャーにアクセスするゲートHEROに《月の書》は撃つ機会が少なく、《BF−蒼炎のシュラ》のような特殊な要素が絡まない限りは殴り返しが必須となるため他の除去スペルの下位的な運用がされる。これを利用して伏せを読みに行こう。
例えば、《次元幽閉》《月の書》の構えに《E・HERO The シャイニング》アタックを受けた場合は普通《次元幽閉》の方を撃つ。これは逆に言うと《次元幽閉》がある場ならば《E・HERO The シャイニング》に《月の書》を撃つことはまず無いということでもあり、つまり《E・HERO The シャイニング》に《月の書》が撃たれた時点で伏せに《次元幽閉》が無いことが確定する。
融合モンスターに加えて《E・HERO ボルテック》も「絶対に通したくない攻撃」に入るので、《月の書》が発動されるとバックの薄さが推測出来る(ただ、《E・HERO ボルテック》は融合HEROを比べて守備力が低いので《E・HERO ボルテック》は裏+殴り返しで処理し《次元幽閉》は融合HERO用に温存したという可能性もある)。
☆伏せを読んでキルを搾り出す例
例えば、相手1伏せの可能性が《激流葬》《月の書》《次元幽閉》《神の警告》ならば決め撃ちの《フュージョン・ゲート》始動《E・HERO The シャイニング》4000オーバー×3で即死が確定する。バックが《激流葬》だった場合《E・HERO The シャイニング》は弾切れこそすれ、空の場に3体融合HEROが出れば大抵は死ねる。伏せを確定させるか、確定に近い推測が出来れば伏せを無視して確実性の高い殺し方が出来るようになるという例。
ただ、この動きをすると間違いなく手札はゼロになり、対抗されうるのが《聖なるバリア−ミラーフォース−》と《冥府の使者ゴーズ》(勿論前者は読みきれなかった場合の話)。《聖なるバリア−ミラーフォース−》は回収・再融合があるとはいえダメージは1ポイントも通らず、手札がモンスターで飽和し、《E・HERO The シャイニング》は弾切れ。精精が《E・HERO アブソルートZero》立てエンド程度しか出来ず、《フュージョン・ゲート》が割られると途端に戦況は厳しくなる。この場合は《聖なるバリア−ミラーフォース−》よりかはまだ《冥府の使者ゴーズ》の方が楽かな。ダメージはある程度通るし、《E・HERO The シャイニング》が場に残るので相手が《E・HERO The シャイニング》×3の処理にまごついてくれれば次ターンにもワンチャン残る。
なんにせよリスク管理はしっかりしようってこと。ちなみに、《E・HERO アブソルートZero》《E・HERO The シャイニング》はどちらも《冥府の使者ゴーズ》にアドバンテージを取られにくいカードなので、殺しに行く時以外で《冥府の使者ゴーズ》が出うるシーンになってもそれ程躊躇しないでいける感じ。